髙見英人博士は、1993年に東京工業大学大学院の理工学研究科から学位を取得されました。2年間のミシガン州立大学微生物生態学センターでのポストドク研究の後、1995年に海洋科学技術センター(現海洋研究開発機構)の深海微生物研究プロジェクトに参加されました。現在、髙見博士は海洋研究開発機構の上席研究員で、環境メタゲノム解析研究チームのチームリーダーとして研究に従事されています。また、2006年からは麻布大学の客員教授も務めています。博士は日本の微生物ゲノム研究のパイオニア的存在の一人で、日本ゲノム微生物学会の評議員の一人です。また、日本微生物生態学会が出版している英文紙”Microbes and Environments”のAssociate Editorでもあります。
髙見博士は極限環境に生息する微生物の環境適応機構の解明を目指して1998年に極限環境を好むBacillus属細菌のゲノム解析プロジェクトを立ち上げ、2004年までの6年の間に3種の極限環境微生物 (好アルカリ性菌、好塩性菌、好熱性菌)のゲノム解析を終了し、論文として発表されました。その後、博士はさらに、そのほとんどが難培養性微生物から構成される実環境の微生物コミュニティーの多様性とその遺伝子的機能性に興味を持ち現在は、地下生命圏や深海環境生命圏における微生物コミュニティーを対象としたメタゲノム解析研究を展開されています。
博士は2001年に文部科学大臣賞、研究功績者表彰を受けられ、同年富山県ひとづくり財団から学術研究や文化、スポーツの分野における功績者を表彰するとやま賞(ゲノム科学)も受賞されました。
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